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2012年10月号vol.423

今月のタイムス
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特集1




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皆さんの家では新聞を取っていますか? 今日は新聞にスポットライトを当ててみたいと思います。
近年、新聞を使った学習「NIE(Newspaper in Education)」を取り入れた授業が、小中高校で広く行われています。政治・経済からスポーツ、文化まで、その日の旬な情報が詰まった新聞を、調べ学習や小論文対策などに活用してみましょう。読み方や学習の広げ方のコツさえつかめば、一見難しそうな新聞も、スラスラ読めるようになりますよ!

日本は世界有数の「新聞大国」

新聞のはじまり

世界初の日刊新聞はドイツの『ライプツィガー・ツァイトゥング』です。創刊されたのは1650年。日本の江戸時代前期にあたります。この頃、日本では瓦版という新聞に似たものがありました。一枚刷りの紙に、天変地異や火事などの事件を記して売り歩きましたが、明治時代に入り新聞が出回るようになると次第に姿を消していきました。日本初の日刊紙は、1870年に創刊された『横浜毎日新聞』でした。2年後の1872年には、『東京日日新聞』(現在の毎日新聞)、1879年には『朝日新聞』などが創刊されました。
日本新聞協会によると、現在日本で1日に発行されている新聞は、朝刊・夕刊セットを1部として数えると、約4800万部(2011年調査による)。また、世界新聞協会が2010年に行った調査では、日本は中国、インドに次ぐ新聞発行部数第3位であり、世界でも屈指の「新聞大国」と言えます。

新聞が発行されるまで

新聞は様々な工程を経て発行されます。
朝刊を例に流れを見てみましょう。
@企画する・構想を練る…どのような紙面にするか、そのために必要な情報は何かなどを考える。取材の下調べをする。
A取材をする・撮影をする・記事を書く(午前8時頃〜)…新聞記者は、取材の対象者に話を聞いて取材をします。また、取材などで得た情報については、それが正しいかどうかを調べることもあります。
B編集をする・誌面をレイアウトする(午後5時頃〜)…新聞記者が書いた記事をチェックします。情報が過不足なく書かれているか、正しく書かれているかなどを確認します。この間に重大なニュースが飛び込んできた場合は、すぐに記事を差し替えて、なるべく新しい情報を読者に届けられるように対応します。また、どのニュースをどこに、どれほどの大きさで印刷するかレイアウトも考えます。
C製作する・印刷する(午前3時頃〜)…コンピュータでレイアウトした紙面と、記事を合わせて原稿を作ります。原稿は「輪転機」という印刷機で印刷します。
D発送する(午前5時頃〜)…印刷が終わった新聞は、トラックに積み込まれて各販売店に届けられ、読者の手へと渡ります。

新聞を使って「読む・書く・調べる」力を養おう

新聞の読み方を知ろう

たくさんの情報が書かれている新聞。ここから必要な情報を得るためには、新聞の読み方を知っておくと便利です。5ページの紙面構成例を参考にしながら見ていきましょう。
@題字(題号)…新聞の名前が書いてあります。
Aページ…新聞の面ごとにページ数が書き込まれています。「1」ならば1面です。1面記事は新聞の顔。その日、もっとも読んでほしい情報を掲載します。世界大会でメダルを取ったスポーツ選手やノーベル賞の受賞が決まった科学者、政治や経済の大事件などが1面記事になります。
B版…新聞は配達地域によって内容が変わります。版の数字が大きいほど印刷所が近くにあり、記事の締め切りが遅いため、最新の情報が掲載されます。
C第3種郵便物…毎年4回以上、号を追って定期的に発行されるものは第3種郵便物として認可されていて、通常より郵便料金が安くなります。
D発行日…新聞が発行された日付が書かれています。
E号数…第1号(創刊号)から、その日の新聞までの通し番号です。
Fコピーライト…著作権の所有者を表しています。
G 見出だし(主見出し)…右上の記事が、各ページで最も重要なニュースになります。5ページの場合であれば、フルーレ男子団体の記事です。見出しは重大なニュースになるほど大きくなります。次に重要な記事は右上記事の隣、その次は右上記事の下という順に配置されています。
H目次…題字の下には、どこに何が書かれているか一目でわかる目次があります。目次を頼りに読みたい記事を探しましょう。
I天気予報…1面記事の下には天気予報が載っています。通勤や通学の時など、すぐに天気予報が確認できるように工夫されています。
Jコラム…「論説委員」と呼ばれるベテラン記者によるコラムです。世の中のできごとを、豊かな表現力で解説しています。気になる表現をノートにまとめるなどして、文章の読解力アップにつなげましょう。
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新聞が発行されるまで

新聞では、世の中の重要な情報を、短い文章でわかりやすく伝えることが求められます。
新聞記事にとって重要な6つの要素を「5W1H」といいます。耳にしたことがある人もいるかもしれませんね。
【5W1H】
★「5W」…「いつ(When)」、
  「どこで(Where)」、「誰が(Who)」、
  「何を(What)」、「なぜ(Why)」
★「1H」…「どのように(How)」
これらの点に気をつけて書くことで、過不足のない記事ができあがります。この「5W1H」は、小論文や作文などにも役立てることができますので、ぜひ覚えておきましょう。
また、新聞記事の文章は「逆三角形」の構成になっています。「逆三角形」の文章とは、はじめに結論を書き、その後に説明を加えていくというものです。こうしておけば、読者にスムーズにニュースのポイントを伝えることができます。小説などの文学作品では「起承転結」にならって文章が構成されます。
【起承転結】
★「起」…物語の導入部分。登場人物や世界観などを説明する。
★「承」…「起」の内容を受けて物語が進む部分。
★「転」…物語で最も盛り上がる部分。「ヤマ」とも言う。
★「結」…「オチ」とも呼ばれる、物語の結末を描く部分。
  小説と新聞記事とでは、文章構成がまったく異なります。また、皆さんが小論文などを書く際には、「序破急」という文章構成を用いると効果的です。
【序破急】
★「序」…序論。問題提起の部分。与えられたテーマやデータについて、自分なりの考えをあげる。
★「破」…本論。「序」であげた考えについて、理由や根拠をあげる。参考にしたデータや資料、自分の体験など具体的にあげる。
★「急」…結論。「序」であげた問題点について、自分が考える具体的な解決策を述べる。
それぞれの構成を知っておくだけでも、読解力や文章力の向上に役立ちますね。また、新聞で使われている漢字は、固有名詞や地名、人名などをのぞき、原則的に「常用漢字表」の1945字です。読みやす い文章になっています。ぜひ手に取ってみましょう。

読解力向上に新聞が有効

経済協力開発機構(OECD)が2009年に実施した「生徒の学習到達度調査(PISA)」では、新聞を読んでいる子どもほど、総合読解力の平均点が高くなる場合が多いことがわかりました。これは、日本だけでなく他の国でも同様の傾向があるようです(→表1)。
新聞を読む習慣をつけることで、読解力を養うだけでなく、必要な時事問題についての知識を得ることもできます。

新聞を教材にした授業

OECDの調査結果から、新聞を読むことは読解力向上に効果的であることがわかります。また、読解力だけでなく、調べる力、的確な情報を見抜く力を養うことも、新聞を読むことで可能だと言われています。
新聞を学習に取り入れる取り組みは、1930年代のアメリカから始まりました。新聞を教材として授業で扱うことを「NIE(Newspaper in Education=教育に新聞を)」と呼びます。現在、NIEは日本を含め世界52か国で利用されています。例えば、日本の小学校では、表2のような取り組みがされています。
こうした取り組みでは、新聞記事の切り抜きや一部の記事を利用する他に、記事をよく読み、また複数の新聞を読み比べて、内容について話し合います。他にも、新聞から知っている漢字を探す(小学校低学年・国語)、新聞記事や広告を使って「あこがれの海外旅行」のパンフレットを作る(中学・社会科)、理科に関する記事を切り抜いてシートにまとめ「現代版・理科百科事典」を作る(高校・理科)など、様々な取り組みが行われています。

新聞を読んで、調べてみよう

こうした取り組みは、学校の授業以外でも気軽にできます。家庭で新聞を読む活動を「ファミリーフォーカス」と呼びますが、親子で同じ新聞記事を読み意見を交換することは、家庭版NIEと言えます。気になる新聞記事を切り抜いてスクラップ帳を作り、感想を書き込んで交換日記のようにするのも面白いですね。
また、気になった話題について、詳しく調べることもおすすめです。図書館に行って資料を探したり、インターネットで調べたり、博物館でより詳しい情報を得たりして、調べたことをまとめてみましょう。これだけでも、夏休みの自由研究になります。実際に確かめたり、他の資料と比較してみたりすることで、「調べる力」を養うことができますよ。


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